中古住宅購入の諸費用とは?リノベーション前に知りたい内訳と支払うタイミング

中古住宅を見学した帰り道、「この家をリノベーションしたら、家族で楽しく暮らせそう」と話が弾むことがあります。
物件価格と工事費を足して、月々の返済も何とか大丈夫かも・・。そう思っていたのに、契約が近づくにつれて「手付金は現金で必要です」「登記費用や保険料もかかります」「工事中は仮住まいが必要かもしれません」と、見落としていた諸費用が次々に必要になり、予算オーバーになることも少なくありません。

リノベ前提の中古住宅購入では、あとから気づく諸費用ほど家計に響きやすいものです。
この記事では、せっかくお気に入りの物件を見つけたのに、計画を見直さなければならないことにならないように、リノベーション前に見落としがちな諸費用の内訳と、支払うタイミングを分かりやすく解説します。

中古住宅購入の諸費用とは?物件価格以外に必要なお金

中古住宅を買ってリノベーションする場合、つい目が向きやすいのは「物件価格」と「工事費」ですが、実際には、そのほかにも契約や登記、住宅ローン、保険などに関わるお金が必要になります。
まずは、諸費用がどんな費用なのかを知ることで、資金計画が立てやすくなります。

諸費用とは税金・手数料・保険料などの総称

諸費用とは、物件価格やリノベーション工事費とは別にかかるお金のことです。
一般的に知られているもので、不動産会社に支払う仲介手数料、契約書に必要な印紙税、登記にかかる費用、住宅ローンの手数料、火災保険料などがあり、それぞれ支払うタイミングも異なります。
ひとつずつは小さく見えても、合計するとまとまった金額になるため、「準備資金」として予算に組み込んでおきましょう。

中古住宅の諸費用は物件価格の6〜10%が目安

中古住宅を購入する場合、諸費用は物件価格の6〜10%ほどを見込んでおく必要があります。
例えば3,000万円の物件なら、180万〜300万円ほどが目安になります。

さらにリノベーションをするなら、工事中の仮住まいや引っ越し、追加工事への備えも必要です。
「物件価格+工事費」で予算を使い切らないことが、後悔しないリノベーションの大切なポイントです。

新築より中古住宅の諸費用が高くなりやすい理由

中古住宅は、不動産会社を通して購入するケースが多く、仲介手数料がかかりやすい点が特徴です。
また、建物の状態を確認するインスペクションや、必要に応じた耐震診断など、中古ならではの確認費用が発生することもあります。
新築より安く買えると思っていても、諸費用を含めると想像より予算がふくらむことも。
だからこそ、購入前の段階で総額を見ておくことが大切です。

中古住宅購入にかかる諸費用の主な内訳

諸費用と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんが、中身を分けて見ると、「不動産会社に払うお金」「税金」「住宅ローンに関わるお金」「保険料」など、役割はそれぞれ違います。

仲介手数料・印紙税・登記費用

中古住宅の購入で大きな割合を占めやすいのが仲介手数料です。
物件価格が800万円を超える場合、上限は「物件価格×3%+ 6万円+消費税」が目安となり、3,000万円の物件なら約105万円になります。
※2024年7月1日の法改正により、800万円以下の低価格な中古住宅や空き家物件に限り、上限額が「30万円+消費税」に変更となりました。

そのほか、売買契約書の印紙税は1万〜3万円程度、登記費用は登録免許税と司法書士報酬を合わせて20万〜50万円ほどかかることも。
契約時や引渡し時に支払いが重なりやすい費用です。

住宅ローン関連費用と火災保険・地震保険料

住宅ローンを組む場合は、ローン事務手数料や保証料も必要です。
事務手数料は定額型なら数万〜十数万円程度、定率型なら借入額の2.2%ほどが目安です。
例えば3,000万円借りると約66万円になるため、意外と大きな出費です。

金融機関によって「保証料」が別途必要になるケースもあります。
火災保険料は5万〜20万円程度、地震保険を付ける場合はさらに上乗せされるため、金利だけでなく、諸費用込みで比べたいところです。

固定資産税等の精算金・不動産取得税などの税金

引渡し時には、固定資産税や管理費、修繕積立金、都市計画税を売主と日割りで精算するのが一般的です。
金額は物件や引渡し時期によって変わりますが、数万円〜十数万円ほど見ておくと安心です。

さらに忘れやすいのが不動産取得税です。
購入後3〜6か月ほどしてから納税通知書が届くことがあり、数十万円になるケースも。
軽減措置を受けられる場合もあるため、通知が届いたら内容を確認し、必要に応じて申請しましょう。

リノベーション前提で見落としやすい追加費用

中古住宅をリノベーションする場合、購入時の諸費用だけでなく、工事に入る前後にもお金がかかります。
「工事費に全部含まれていると思っていた」という費用が、あとから別で必要になることも少なくありません。

インスペクション・耐震診断など建物調査の費用

中古住宅は、見た目がきれいでも壁の中や床下の状態までは分かりにくいものです。
そのため、購入前後にインスペクションを行う家庭も増えており、費用は3万〜7万円ほどが目安です。
築年数が古い戸建てでは、耐震診断が必要になることもあり、5万〜20万円ほどかかる場合がありますが、補助金などを活用することで、節約することも可能です。
家族で長く暮らす家だからこそ、安全確認の費用は削りすぎない方が安心です。

工事の着手金・中間金・追加工事費用

リノベーション工事では、契約時や着工前に工事費の一部を支払うケースがあります。
着手金は工事費の30〜50%ほどが目安で、1,000万円の工事なら、300万〜500万円になることもあります。
さらに工事中に配管の劣化や下地の傷みが見つかると、追加工事費が発生することも。
工事費の10〜20%程度は予備費として残しておくと、慌てず判断しやすくなります。

仮住まい・引越し・トランクルーム費用

大規模なリノベーションでは、工事中にその家で暮らせないことがあります。
その場合、仮住まいの家賃として月5万〜15万円ほど、工事期間が3か月なら15万〜45万円ほど必要です。
さらに引越しは、今の住まいから仮住まいへ、仮住まいから新居へと2回になることもあり、1回につき10万〜20万円ほどかかるため、家財が多い家庭はトランクルーム代も見込んでおくと安心です。

家具・家電・カーテンなど入居準備費用

リノベーション後は、間取りや窓のサイズが変わり、今まで使っていた家具やカーテンが合わなくなることがあります。
また、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、照明、収納家具などを買い替えると、別途100万〜300万円ほどかかる家庭もあります。
特に子ども部屋を作る場合は、ベッドや机、収納も必要になりがちで、入居直前に慌てないよう、新しい暮らしを始めるためのお金も別枠で考えておきましょう。

諸費用を支払うタイミングはいつ?

中古住宅購入とリノベーションでは、支払いが一度にまとまって来るわけではありません。
売買契約時、引渡し時、工事中、入居後と、何度かに分かれて発生します。
特に注意したいのは、住宅ローンが実行される前に現金で支払う費用があること。
どの時期に、どのくらいのお金が必要になるのかを知っておくと、資金計画に余裕が生まれます。

売買契約時に必要な費用

売買契約時に大きいのが手付金です。物件価格の5〜10%が目安で、3,000万円の物件なら150万〜300万円ほど。
住宅ローン実行前のため、原則として現金で用意します。

そのほか、売買契約書の印紙税として1万〜3万円程度、仲介手数料の半額として50万円前後が必要になることもあります。
気に入った物件が見つかってから慌てないよう、契約前に動かせる現金を確認しておきたいところです。

引渡し・決済時に必要な費用

引渡しの日は、支払いが集中しやすいタイミングです。
物件の残代金に加えて、登記費用20万〜50万円程度(司法書士報酬等含む)、仲介手数料の残額、固定資産税の精算金などが必要になります。
住宅ローンを使う場合は、ローン事務手数料や保証料、火災保険料も同じ時期に発生しやすい費用です。
ローンから支払えるものと、現金で精算するものが混ざるため、事前に一覧で確認しておくと安心です。

工事中から入居前後に必要な費用

物件の引渡し後、リノベーション工事が始まると、工事着手金や中間金の支払いが発生します。
着手金は工事費の30〜50%ほどになることもあり、1,000万円の工事なら300万〜500万円が目安です。

工事期間中は仮住まい家賃として月10万〜15万円、引っ越し費用は2回で20万〜30万円ほどかかることもあり、入居前後には家具・家電・カーテン代も必要になってきます。
そのため、工事費だけで予算を使い切らないように、考えて計画を立てましょう。

入居後に必要な費用

新居に住み始めたあとも、支払いが完全に終わるわけではありません。
忘れやすいのが不動産取得税で、購入から3〜1年ほどして納税通知書が届くことがあります。
金額は物件によりますが、数十万円になる場合もあります。

また、翌年以降は固定資産税や都市計画税も発生します。
マンションなら管理費や修繕積立金として、毎月2万〜6万円ほど必要になるケースも。
入居後の家計に無理が出ないよう、税金や維持費も先に見込んでおきましょう。

タイミング主な費用金額の目安現金準備のポイント
売買契約時手付金・印紙税・仲介手数料の一部約160万〜360万円手付金は物件価格の5〜10%が目安。ローン実行前のため現金が必要になりやすい
引渡し・決済時登記費用・司法書士報酬・ローン費用・保険料・税金精算約100万〜250万円支払いが最も集中しやすい日。ローンに含められない費用もあるため要確認
工事中〜入居前後着手金・中間金・仮住まい・引っ越し・家具家電約400万〜900万円工事費の支払いに加え、仮住まい費や家具家電費も重なりやすい
入居後不動産取得税・固定資産税・管理費・修繕積立金約20万〜80万円+毎月費用忘れたころに税金の通知が届くことも。入居後用の資金を別に残しておくと安心

※上記は、物件価格3,000万円・リノベーション工事費1,000万円前後を想定した概算です。物件条件、住宅ローンの内容、工事規模、地域によって金額は変わります。

資金ショートを防ぐためのポイント

中古住宅購入とリノベーションは、決めることが多く、費用の種類も複雑ですが、最初からすべてを完璧に理解しておく必要はありません。
大切なのは、「物件価格と工事費だけでは足りないかもしれない」と早めに計画を立てておくことです。

物件価格と工事費だけで予算を決めない

中古住宅を買ってリノベーションする場合、「物件3,000万円+工事1,000万円=4,000万円」と考えがちですが、実際には、仲介手数料や登記費用、ローン費用、保険料、仮住まい費、家具家電費なども必要になります。
総額では、数百万円単位で予算が変わることもあるため、注意してください。
物件を選ぶ前に「諸費用込みでいくらまでなら無理がないか」を考えておくと、あとから工事内容を削るリスクを減らせます。

住宅ローンに含められない費用を確認する

住宅ローンで物件価格やリノベーション費用をまかなえても、すべての諸費用をローンに含められるとは限りません。
手付金、印紙税、インスペクション費用、仮住まい費、引っ越し代、家具家電費などは、現金で必要になることがあります。
特に手付金は売買契約時に支払うため、ローン実行前の出費となり、金融機関やローン商品によって扱いが違うので、早めに確認しておくと安心です。

追加工事に備えて予備費を確保する

中古住宅のリノベーションでは、解体してから配管の劣化や下地の傷み、雨漏り跡などが見つかることがあります。
こうした追加工事は、見積もりの段階では分かりにくい部分です。
目安として、工事費の10〜20%ほどを予備費として残しておくと、必要な補修をあきらめずに済みます。

早めに専門家へ相談して総予算を見える化する

中古住宅購入とリノベーションは、不動産、住宅ローン、工事、税金が重なるため、家族だけで判断するのは意外と大変です。
とくに子育て世帯は、教育費や生活費も同時に考える必要があります。
早めに専門家へ相談すれば、物件価格、工事費、諸費用、現金で必要な金額をまとめて整理できます。
「買えるかどうか」だけでなく、「買ったあとも安心して暮らせるか」まで見える資金計画にしておきましょう。

まとめ リノベーション前提の住宅購入は、早めに専門家へ相談しましょう

中古住宅を購入してリノベーションする場合、物件価格と工事費以外にも、仲介手数料や登記費用、住宅ローン関連費用など、多くの費用が必要になります。
しかも支払いは、契約時・引渡し時・工事中・入居後と分かれて発生するため、見落とすと資金不足につながることもあります。

支払い忘れや急な出費で慌てないためにも、早い段階で諸費用まで含めた総予算を確認して計画を立てておくことがポイントです。
早めに専門家に相談すれば、複雑な費用や支払いタイミングを整理でき、煩わしい確認作業の負担も減らすことが可能です。
家族で安心して新生活を始めるためにも、無理のない資金計画から進めましょう。

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