リノベーション前に確認!申請が必要なケースとは?

家をリノベーションする際、計画を立てるだけでなく、必要な申請についても把握して、準備しておかなければいけません。
工事の種類や規模によっては法的な許可が必要な場合があり、これを怠ると後に工事を中断せざるを得なかったり、リノベーション自体ができなくなるというトラブルに発展する可能性があります。
この記事では、リノベーション計画を進める前に確認すべき「申請が必要なリノベーションのケース」を解説し、スムーズな工事進行のためのポイントをご紹介します。

リノベーションの確認申請とは?

リノベーションとは、既存の建物に手を加えて機能や性能を向上させることを指し、単に美観を改善するだけでなく、耐震補強や省エネルギー化など、幅広い改修が含まれます。
このようなリノベーションを行う際には、建築基準法に基づいた確認申請が必要となるケースがあります。

確認申請とは、改修や改築を行う物件が法律に則った安全な構造であることを保証するための手続きです。
具体的には、リノベーションプランが建築基準法の規定を満たしているかどうかを審査するために、設計図書とともに行政機関や指定確認検査機関に提出する申請手続きです。

申請には建物の用途や規模に応じた書類の提出が求められ、耐火構造や避難経路などの安全基準を満たしているかがチェックされます。
また、リノベーションが大規模なものであればあるほど、申請のプロセスは複雑になる傾向にあります。

建築基準法を満たしたリノベーションは、法律が定める安全性や居住性を確保しつつ、既存の建物に新たな価値を加えることが可能です。
例えば、構造体に影響を及ぼす壁の撤去や新たな部屋の追加、耐震性を高めるための補強、バリアフリー化を目的とした間取りの変更、建物の用途変更などが挙げられます。
これらの工事は建物の安全性に直接関わるため、専門の知識を持つ建築士による確認申請が必須となります。

リノベーションの確認申請は、安全で快適な住環境を実現するための第一歩と言えるでしょう。
適切な申請を行うことで、将来的なトラブルを回避し、建物の価値を最大限に引き出すことが可能になります。

確認申請が必要なリノベーション

リノベーションを行う際には、改修の規模や性質に応じて確認申請が必要になることがあります。
特に、大規模な修繕や模様替えを計画している場合、構造的な強度や安全性に影響する可能性があるため、自治体への申請が求められます。

建築基準法では、特定の建築物について確認申請を義務付けており、これには4号建築物も含まれます。
ここで言う4号建築物とは、一定の規模を超えない建物であり、一般的にいうと、木造の場合は2階建て以下で床面積が500㎡以下、軒高9m以下、高さ13m以下と定義されています。(2024年3月現在)
今までの4号建築物は審査省略制度(いわゆる「4号特例」)により、審査が簡単に終わっていましたが、2025年に制度が見直されることが決まっており、審査対象範囲が変更されることにより、その改修や用途変更は法的な手続きが増える可能性があります。(2025年4月施行予定):参照
また、増築や間取りの変更を伴うリノベーションでは、新たに追加される部分が建築基準法の規制に適合しているかどうかを確認するため、申請が必要になるケースが多いようです。
これは、住宅の安全性を長期的に保ち、将来的なトラブルを回避するために行われるものです。

リノベーションを始める前には、計画の詳細を確認し、必要な確認申請についてリノベーション の専門家と相談することも大切です。
特に、耐震性に関わる壁の撤去や、居住空間の拡大を伴うリノベーションでは、専門家の意見を取り入れつつ、適切な手続きを踏むことが求められます。

自治体の建築指導課などに相談することで、申請に必要な書類やプロセスについての正確な情報を得ることもできます。
また、申請が必要かどうかの判断が難しい場合は、建築士や法律家といった専門家にアドバイスを求めることで、スムーズなリノベーションを行うことができます。

確認申請が必要のないリノベーション

リノベーションを行う際、確認申請の手続きは避けて通れませんが、すべての改修が「申請」を必要とするわけではありません。
特にマンションの場合、内装の変更や間取りの調整など、構造に影響を与えない範囲でのリノベーションは、確認申請が不要なケースがほとんどです。

また、小規模な改修作業についても、壁紙の張り替えや床材の交換など、建築基準法で定められた一定の範囲を超えない工事は、確認申請を省略できることがあります。
これにより、手続きの煩雑さを避けつつ、迅速にリノベーションを実施することが可能です。

ただし、これらの特例を利用する際は、それぞれの自治体が定める基準や条件に留意し、必要な場合には専門家の意見を参考にすることが重要です。
法規制の知識が不足していると、後になってトラブルの原因となることがあるため、リノベーションを検討している方はあらかじめ情報を集め、正しい手続きを踏むことをお勧めします。

確認申請が必要なケース確認申請がいらないケース
10㎡以上の増築工事木造2階建て以下の住宅工事
(準)防火地域に建つ物件の増築工事外壁の塗り替えや内装・設備の変更
四号建築物以外の大規模な修繕・大規模な模様替えマンションなど集合住宅の住戸内のリノベーション
構造に手を加える屋根工事 
スケルトンリノベーション 
ガレージなど新しい建物の設置 
注:2024年3月現在

確認申請をせずにリノベーションしたら、どうなる?

リノベーションを行う際、建築確認申請を忘れてしまうケースがあります。
特に、小規模な改修であれば問題ないと思われがちですが、法的には建築確認申請が必要な場合も少なくありません。
建築確認申請を怠った結果、さまざまな不利益を招くことがあります。

工事の中止や建築物の取り壊しを求められる

建築確認申請を行わずにリノベーションを進めた場合、行政からの指導を受けることになります。
建築基準法に基づき、手続きを怠った建築主には是正措置が求められるでしょう。
工事の進行状況によっては、工事の停止や既に施工された部分の撤去など、重大な影響を受ける可能性があります。

刑事罰の対象

法令に違反した建築物は、刑事罰の対象になることもあります。
罰金や懲役刑が科されるケースも考えられるため、リスクは非常に大きいと言えます。
建築基準法第99条により、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金を課される可能性もあるので気をつけてください。
ただし、実際に刑事罰が適用される事例は稀であるものの、その可能性を完全に無視するわけにはいきません。

火災保険の適用外となる

リノベーションによって建物の構造や用途が変更された場合、火災保険の適用外となるリスクがあります。
保険契約時の建物状況と現在の状態が異なると、保険金が支払われない事態にも直面する可能性があります。
そのため、リノベーション前には必ず建築確認申請を行い、保険会社にも変更を報告することが重要です。

売却する際に不利になる

建築確認申請を省略したリノベーションを行った建物は、将来的に売却する際に問題が生じることがあります。
「既存不適合建築物」とみなされることで、安全性や法的な適合性に疑問を持たれ、買い手がつきにくくなることもあります。
住宅ローンの利用が困難になることもあり、売却の際に大きなハンディキャップとなるでしょう。

以上のように、リノベーションを行う際には、建築確認申請の必要性を正しく理解し、適切な手続きを踏むことが極めて重要です。
法的なトラブルを避け、安全で安心な住環境を確保するためにも、専門家のアドバイスを求めることをお勧めします。

確認申請にかかる費用は?

リノベーションを行う際には、建築基準法に基づいた確認申請が必要となります。
この申請には費用がかかり、その総額は工事内容や規模によって異なるため、事前に知識を持っておくことが重要です。

費用目安としては、建築物の用途や構造により変動しますが、一般的な住宅のリノベーションであれば30万円程度(検査料含む)が相場とされています。
また、図面の申請をしたあと許可をもらえるまでに、1ヶ月近くもかかることもあるので、計画を立てて申請してください。

建築費の一部を基準にしたり、延べ床面積に応じて算出されることが多いので、計算方法は複雑です。
確認申請を行う際には、設計事務所や行政書士に依頼するケースが多く、その際の手数料も含めて全体の費用を把握しておく必要があるでしょう。

費用を抑えるポイントとしては、まず設計段階で建築基準法に適合するよう細心の注意を払い、不必要な訂正や再申請を避けることが挙げられます。
また、専門家に見積もりを依頼し、費用対効果を比較検討することも有効です。
自治体によっては補助金や助成金が用意されている場合もあるため、事前に情報収集を行うことも重要です。

確認申請をスムーズに進めるために

リノベーションで確認申請の手続きを円滑に進めるためには、専門家への依頼を検討する必要があります。
建築士や行政書士などの専門家は、法令遵守や書類作成のノウハウを有しており、申請プロセスを迅速かつ正確に進行させることができます。

リノベーションを成功させるためには、確認申請を適切に行うことが欠かせません。
それには、法規制の理解と正確な申請書類の準備が不可欠です。
専門家のアドバイスを受けつつ、計画的にリノベーションを進めることが望ましいでしょう。

専門家へ依頼しなかったばかりに、申請が通らなかったケースも存在します。
たとえば、歴史的建造物をリノベーションする際に、外観を大きく変更しようとした事例では、文化財保護の観点から申請が却下された例があります。
このように、申請が通らない理由は多岐にわたり、計画段階での周到な検討が必要です。

また、申請前には十分な情報収集と事前相談が重要です。
地域の条例や建築基準法に関する知識はもちろん、近隣との協議内容やマンション規約、環境への配慮など、事前にクリアすべき多くの要件が存在します。
これらをしっかりと把握し、必要な書類を整えておくことで、申請時の質問や指摘にも迅速に対応できるようになります。

申請が受理された後も、フォローアップは欠かせません。
申請内容に基づいた工事の進捗を定期的に確認し、変更が必要な場合は速やかに追加申請を行うなど、状況に応じた対応が求められます。
また、工事完了後の検査を念頭に置き、申請書類に記載された内容を遵守することが重要です。

このように、リノベーションにおける確認申請をスムーズに進めるためには、専門家のアドバイスを受け、しっかりと事前準備を行い、申請後も継続的な管理とフォローアップを行うことが不可欠です。

リノベーション前に確認!申請が必要なケース まとめ

リノベーションを行う際、確認申請は避けて通れない手続きです。
申請には、建築士の作成した図面や工事内容の説明書が必要となり、これらの書類が適切でなければ申請は受理されません。
申請前には、建築規制や用途地域の確認、隣接地との境界線の確認、耐震基準への適合性など、多岐にわたるチェックポイントも存在します。

スムーズな確認申請を実現するためにも、事前の準備と確認が不可欠です。
専門家との連携を密にし、申請プロセスを熟知した上で、正確な書類作成に努めることが成功の鍵となります。
リノベーションを成功させるためにも、確認申請には細心の注意を払い、専門家と一緒に手続きを進めていきましょう。

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