リノベーションでよく耳にする「スケルトン物件」のメリットデメリット

リノベーションについて色々と調べていると、「スケルトン」という言葉をたびたび耳にすると思います。
リノベーションが初めてという方がほとんどですから、スケルトンのような専門用語は分からない方も多いことでしょう。
しかし、ある程度の専門用語は理解しておかないと、業者の方とスムーズに打ち合わせができないおそれがあります。

ここでは、スケルトンとはどのような物件を指すのか?ということや、メリット・デメリットまで詳しく紹介していきます。
ぜひ参考にして、納得のいくリノベーションを実現してください。

・スケルトンとは?

リノベーションにおける「スケルトン」は、物件の内装を全て取り払い骨組みだけになった状態を指します。
「スケルトン」は日本語に訳すと「骨組み」を意味するところから、建物を骨だけにした状態を意味する言葉として使われるようになりました。

マンションと戸建て住宅では、スケルトンと呼ばれる範囲が微妙に異なります。
マンションのスケルトンは、部屋全体の内装を全て取り払い、コンクリートが見える状態まで解体した状態を指します。
一方、戸建て住宅のスケルトンは、基礎や柱などの建物の骨格だけ残し、屋根や外壁まで撤去した状態を指します。

スケルトンの状態からリノベーションするということは、かなり大掛かりな工事が想像できます。
キッチンやトイレなどの設備はもちろん、壁や天井なども希望通りに変更することが可能です。
このようなリノベーションを、スケルトンリノベーションやスケルトンリフォームと呼びます。

・スケルトンの物件をリノベーションするメリット

スケルトンの物件をリノベーションしたり、物件を一度スケルトンの状態にしてからリノベーションすることは、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、スケルトン物件をリノベーションするメリットを紹介していきます。

・自由な間取りを実現できる

物件をスケルトンの状態にするということは、壁や配管まで撤去するということです。
骨組み以外は一からデザインできるため、希望の間取りを実現することができます。

スケルトンの状態からリノベーションするならば、一見難しそうなキッチンやトイレなどの水回りの配置も変更することができます。
自分に合った家事の動線やご家族の動きを間取りに反映することで、より暮らしやすい住宅にすることができるでしょう。
長年住み続ける住宅だからこそ、その人のライフスタイルに合った間取りは非常に重要です。

間取りがその人の生活に合っていないと、日々ちょっとしたストレスを感じる「きっかけ」にもなります。
快適で豊かな暮らしを送るためには、このような些細な不満も解消することが重要なのです。
暮らしやすい間取りを実現するために、スケルトンからのリノベーションは最適です。

・耐震性を高めることができる

特に古い物件の場合、現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。
日本は地震が多い国なので、建物の耐震性は非常に重要です。

耐震性の補強は、スケルトン状態にしなくても部分的には可能です。
ただし、基礎はスケルトン状態でないと完全には補強できないので、どうしても不完全な施工になってしまいます。
また、建物の躯体(くたい)、つまり骨組みの状態を確認しないまま補強することになるため、本当に必要な補強ができているかも確認できません。

スケルトンの状態にした場合は、建物の躯体の状態を完全に把握できます。
当然、より的確に耐震補強ができるため、耐震性を確実に高めることができます。
長い期間住み続けることを考えれば、スケルトン状態から耐震補強をした方が安心できます。

・配管を新しくすることができる

建物の配管には、主に給排水に関わるものがあります。
それらの給水管や排水管は、それぞれ年月の経過とともに劣化してしまいます。

排水管があまりに劣化してしまうと臭いの原因となってしまいますし、給水管が劣化すると水道水の品質に不安が生まれます。
古い住宅で赤水が出る場合などは、かなり給水管が劣化している証拠です。

ところが、配管は簡単に取り換えることができません。
それは、配管の多くが壁の裏や床の下に隠されているためです。

スケルトン状態からのリノベーションなら、床や壁を取り壊した状態から工事をするので、配管も一新することができます。
内装だけでなく、目に見えない部分も新品の状態にして、暮らしをスタートできるのも、スケルトンリノベーションの魅力なのです。

・建物の基礎の状態を確認できる

基礎や柱、梁などは、建物を支える重要な部分です。
ここが腐食したりシロアリ被害にあったりすると、建物の耐久性に影響してしまいます。
建物の資産価値にも影響するので、基礎となる部分はできるだけ良好な状態を保ちたいものです。

ところが、基礎の部分は通常壁や床の裏側にあるため、状態を確認することができません。
そのため、「知らないうちに腐食やシロアリ被害にあってしまっていた」ということも少なくないのです。

一度、建物をスケルトンの状態にすることで、基礎や柱の状態をしっかりと確認することができます。
この段階で腐食などの劣化が見つかれば、修繕してからリノベーションすることも可能です。
基礎が良好な状態の物件なら、安心して住み続けることができるでしょう。
また、物件を売却する際も、基礎が良好な状態なら価値が高まりやすい傾向があります。

・断熱対策ができる

古い住宅の場合、断熱対策が不十分なため、快適に暮らせないケースもあります。
夏は暑くて冬は寒い家…なんて最悪です。
特に近年は夏の暑さが激しいので、断熱対策が不十分では、熱中症などの危険も増してしまいます。

建物の断熱効果を高めるには、外壁などに断熱材を取り付ける必要があります。
しかし、一度壁を取り外さないと、断熱材を取り付けることができません。

スケルトンの状態からのリノベーションなら、壁も一新するので断熱材を追加することも簡単です。
建物の断熱効果が高まれば、エアコン等の効率も良くなるため電気代の節約にもつながります。
スケルトンリフォームの際に、断熱対策のような機能性にも着目しておけば、光熱費を節約する効果も期待できます。

・再建築不可物件も新築同様にできる

再建築不可物件とは、現在立っている建物を取り壊して更地にしてしまうと、新しい建物を建てられない土地に現在ある建物を指します。
都市計画区域や準都市計画区域には「接道義務」というものが設けられており、この要件を満たせない土地の場合、新たな建物を建てることができません。
再建築不可物件は、建物ができた後に都市計画区域に指定されるなどして、発生してしまった物件です。

再建築不可物件は建て替えることはできませんが、リノベーションは可能です。
スケルトンの状態に戻してからのリノベーションも、認められているため問題ありません。
再建築不可物件は安く売りに出されることが多いので、より「お得」に新築同様の建物に住むチャンスともいえます。

ただし、再建築不可物件のリノベーションには、建築申請が必要となるケースもあります。
思うようにリノベーションできない場合もあるので、まずは専門の業者に相談してみることをオススメします。

・スケルトンの物件をリノベーションするデメリット

スケルトンの状態からリノベーションをすれば、理想の間取りに近づけることができます。
しかし、良いことばかりではなく、スケルトンリノベーションにも弱点があります。
ここからは、スケルトン物件をリノベーションするデメリットを紹介していきます。

・費用が高額になる

物件をスケルトンの状態にしてリノベーションする場合、一から内装を作る必要があるため、その分費用はかさんでしまいます。
配管や耐震補強をするなら、さらに費用は増大します。

費用は高額になりますが、基礎や柱が元からあるため、新築よりは非常に割安です。
スケルトンリノベーションを検討するのなら、簡単なリフォームの費用と比較するよりも、新築と比較する方が理にかなっています。

一般的な住宅なら、スケルトンからのリノベーションが、新築よりも高額になるケースはほとんどありません。
しかし、シロアリ被害や水漏れによる腐食など、基礎の劣化がひどい場合は、新築と変わらない金額になる可能性もあります。
まずは建物の状態を専門家に見てもらい、どこまで工事する必要があるか診断してもらうと、リノベーションにするか新築にするかの判断材料になります。

・長期間の工事が必要

スケルトンリノベーションは、まだ内装が残っている状態の建物なら、解体する作業からスタートです。
スケルトンの物件を購入してリノベーションする場合でも、全ての内装を完成させるにはかなりの期間を要します。
期間の目安としては、2カ月から半年程度が必要となるでしょう。

仮に、現在住んでいる建物をスケルトンの状態にしてリノベーションする予定なら、工事期間中は一時的に住む場所を確保しなければいけません。
数カ月単位で住まいを確保しなくてはいけないので、マンスリーマンションなどを借りる必要があります。
リノベーションにかかる費用以外の部分でも、見落としがちな経費があるので、注意しましょう。

・間取りによっては価値が下がる

スケルトンの状態からリノベーションする場合、間取りを自由にデザインできますが、あまりに個性的な間取りにしてしまうと、一般受けが悪くなることも考えられます。
一生住み続けるのであれば問題はありませんが、仮に売却するとしたら、個性的な間取りは買い手を探すのが難しくなる可能性も考えられます。

将来的な売却まで視野に入れているのなら、奇抜な間取りは避けた方が無難です。
生活するうえで使いやすいように、間取りをデザインすれば、物件の価値を高めることに繋がります。

・スケルトン物件のリノベーションもナカケンにお任せください

スケルトンの状態とは、建物の基礎や柱など骨組み以外の部分を取り除いた状態を指します。
この状態からリノベーションをするには、多種多様な工事をしなくてはなりません。

工事も種類ごとに専門性が異なるので、知識の量により品質に差が出てしまいます。
スケルトンリノベーションの経験が豊富な業者なら、安心して工事を任せることができますね。

もし福岡でスケルトンからのリノベーションをお考えなら、私達ナカケンが力になります。
ナカケンは、リノベーションに必要なことを各部署が連携し、組織力を活かしてトータルサポートします。
30年以上にわたり住宅の空間プロデュースを手掛けて参りましたので、知識と経験でお役に立てるでしょう。
リノベーションに関することなら何でも相談に乗りますので、まずはお気軽にお問い合わせください。